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著 者: 賀来 誠
発行日: 2020年12月16日
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「ねぇ新堂! 花火の音は・・・現れた音なのかしら? それとも消える音なのかしら」
屋上から見下ろす町並みにソイツは問いかけた。
「ぱっと光って消えて、私はまるで閃光のよう・・」
中学二年の冬、俺は人生が変わる程の体験をした。同級生の女子が、都市に消えてしまう瞬間に立ち合う事になったのだ。
ソイツはどうしてか、周りの人間から忘れ去られてしまって、どうやら俺が、ソイツを憶えている最後の人間らしい。ソイツは最後に残った俺に、悲しみながら忘れてほしいと頼むのだった。
家庭に問題を抱えた主人公と、存在が消えかけた同級生との、奇妙な交流を描く。2006年発表の短編漫画「メトロポリタン・ミュージアム」の二次創作小説。